新卒で企業に入り、数年して退職し、別の企業に入り直した社員を第二新卒といいますが、このタイプの転職には、デメリットがあることを覚悟しなければいけません。
日本の企業は、役所・官公庁と同様、入社年度を目安に社員の序列をつけます。
ですから第二新卒で転職してきた人間は、同年齢の人間より序列が後になってしまいます。
大学の同期生が2~3年上にいたりしては、双方ともどう付き合えばいいのか戸惑うことになります。
第二新卒のデメリットはまだあります。
第二新卒はたしかに、職場での電話の取り方のような、会社員としてのごく基本的なルールは身につけているでしょうが、仕事の専門知識や技能などは2~3年の企業経験では、即戦力といえるほどのものではないというのが、常識的なところでしょう。
特に、別の業種から第二新卒で転職してきた人、大学院から入社して来た人は、専門能力はゼロであり、彼らには新卒と同様の教育を施す必要があります。
それにはもちろん費用がかかりますから、こうしたことを考えて中途採用である第二新卒を、新卒同様に4月に採用し、新卒同様に教育する企業もあります。
第二新卒の転職には、さらにデメリットがあります。
それは、周囲の冷たい視線です。
第二新卒は言うまでもなく一度企業を辞めた人間ですから、忍耐力に欠け、新しい職場もすぐに辞めてしまうのではないか、と周囲の人間は考えがちです。
特に前の会社を一年以内で辞めた人には、周囲も厳しい視線を向けますし、企業側もそうした人間の採用には慎重になります。
第二新卒は、新しい会社でのポジションが基本的に不安定なので、最初からよそものとみられ、冷たい扱いを受けることもあります。
このように第二新卒のデメリットは多々ありますが、これらのデメリットを跳ね抜けるには、転職した企業で数年間は辛抱して信用を培い、自分なりのポジションを獲得する以外にないといえるでしょう。
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